DeNAのクリエイティブな仕事の背景には、RPAが関係しているのかも…!?
昨今注目度の高まる業務の自動化!
5年前からRPAを導入し、自社でもRPAサービス『Coopel(クーペル)』https://coopel.ai/を展開しているDeNAに取材しました。
今回お話を伺ったのは、DeNA IT戦略部 大脇さん、Coopel事業開発推進室 中井さん、林さん、広報部 山本さん(以下、敬称略)。
社内でのRPA活用方法や、人とロボットの共存について教えていただきました。
今回取材したDeNAとRPAの関係を全3回の記事で更新します。
第2回となる今回はDeNA社内でのRPAについてお届け!
第1回「DeNA発!誰でも簡単!RPAサービス『Coopel』って?」
目次
- RPA導入のきっかけ
- 導入から現在までの流れ
- 社員の反応
- 「RPAに人間の仕事がとられるのではないか」という反対意見は?
- 導入事例と削減効果
- あえて人間の良さを残している部分
- DeNAでは社内イベントが活発に行われている?
DeNAとRPA
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社内でのRPA導入のきっかけを教えてください。
大脇:RPAを導入したのは2017年6月です。
RPAが登場する前の世界でもITシステムを使い、自動化や業務改善を行う取り組みはありました。
しかし、なかなかシステム化が進んでいない領域でも、毎月やっている定常業務にプログラミング不要でクイックに自動化できるRPAが有効ではないかと思いました。
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導入から現在までの流れを教えてください。
まずはDeNAの中で人事・経理などのコーポレート部門で大量に行っている業務に自動化を活用し、一定の効果が出ました。
その後さらに事業部でも使えないかということで、ゲームタイトルを運用しているゲーム事業部にヒアリングに行きました。
RPAで自動化することで効果が見込めそうな対象業務を調べたところ、様々なバリエーションがあり、1つ1つは小さいが数が多いという状況でした。
当時のRPA導入までの流れは、IT戦略部が効率化したい業務をヒアリングをして業務改善しながらRPAで自動化するというもので、工数もそれなりにかかっていました。
そのため、ある程度の改善効果が見込めない業務や、作っても1年以内に変わってしまうような業務は対象外にする方針でした。結果的に事業部では当時のRPAで改善する対象業務が少なかったです。
そこで事業部でRPAを導入する場合、ユーザー自らがRPAシナリオを開発する※1「EUC型」での活用が適しているのではと考えました。
当時は大規模なエンタープライズ向けのRPA製品を使っていたのですが、エンドユーザーでも簡単にシナリオ作成できるEUC型のRPAを併用していこうと2つ目も使い始めました。
その後DeNAでもCoopelというサービスを作ることになり、最近では多くの社内ユーザーがCoopelを使っているという状況です。
※1 EUC:「End User Computing(エンドユーザーコンピューティング)」の略。情報システム部などのシステム管理部門の担当者ではなく、現場で業務を行う従業員や部門が、自らシステムやソフトウェアの開発・構築や運用・管理に携わること。
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RPAに対する社員の反応はどうでしたか?
なかなかRPAはとっつきにくいイメージで、例えばCoopelが始まったころは一部の人はうまく使っていてもほかの部門ではまだ浸透していませんでした。
そこで社内で『C-1グランプリ』というコンテストを行い、うまく使っている人の事例を展開して広めました。
今までエンジニアにお願いしないとできなかった自動化が自分で簡単に行え、本来やりたい仕事に時間がさけるようになった点は喜ばれているなと感じます。
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「RPAによって人間の仕事がとられるのではないか」という反対意見はなかったですか?
大脇:社外ではそういう話をよく聞きますが、DeNAの場合は作業がなくなることでその人の価値がなくなるような業務はありません。
逆に作業を減らしてもっとクリエイティブな業務をやりたいというニーズが高いので、反対意見はあまりなかったです。
本来人間がやるべき仕事を優先し、機械的に繰り返し行うような作業はどんどんシステムに任せていきたいですね。
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導入後はどのような効果がありましたか?
大脇:人事や会計などのバックオフィス領域ですと、年間約4000時間の業務時間削減に成功しました。
当時、人事部門では残業時間の管理が問題となっており、月末の着地見込みを出したいというニーズがありました。
月の中日までの実績データをExcelでダウンロードし、専用のシートに張り付けると月末の予想残業時間が出てきます。それを全員分まとめて、上司に「このペースだと残業時間が多いのでセーブさせてください」というメールを送る流れがありました。
しかし対象者約2500人分やるわけにはいかず、100人程しかできていませんでした。
そこで当時の勤怠システムにRPAでアクセスしてデータを落とし、Excelに張り付けてメールを送るということをした結果、全員分実行でき大幅な業務削減効果がありました。
その他にも勤怠システムの勤怠時間入力遅延者へのリマインドロボットなど、バックオフィス業務でのRPA活用で、RPA導入から1年半で年間4000時間程度の削減効果をあげることができました。
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自動化を進める一方、あえて人間の良さを残している部分もあるのでしょうか?
大脇:いいプロダクトを作るために、最初の企画段階では集まってコミュニケーションをとりながらクリエイティブなものを作っていくことを重視しています。
僕らの仕事はリモートでもできますが、昨年8月に移転した新本社オフィスはハイブリッドな働き方がコンセプトです。
オフィスが移転して席は少なくなりましたが、集まって仕事ができる環境を用意しています。
今やっている企画で『オフィスにGOGO』というのがあります。
リモートで会話が減ってしまうので、コミュニケーションを活性化したいということで、オフィスでボードゲームなどのイベントや食べ物を用意して交流できる場を作っています。
全部をリモートにするのではなく、あえてオフラインのコミュニケーションなどアナログな部分は重視しています。
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『C-1グランプリ』や『オフィスでGOGO』などDeNAでは社内イベントが活発に行われているのですか?
山本:人が集まることで活性化されたり、話が盛り上がったり、発想がうまれることがあると思うので、オフライン・オンラインの良さを取り入れたイベントを行っています。
例えば健康経営を取り入れているので、※2『kencom』というアプリを使って、チームで期間中の合計歩数を競い合うイベントを含めた、オンライン運動会なども実施されています。
※2 kencom:DeNAグループのDeSCヘルスケアが、DeNAのエンタメのノウハウを活用して楽しみながら健康になることを目的にし、運営しているヘルスケアエンターテインメントアプリ。
取材時の議事録公開!
今回のお話で一番印象的だったのは「作業がなくなることでその人の価値がなくなるような業務はありません」という言葉。かっこいいですね…! 自動化が進んでも、人間の考える力とコミュニケーションの重要性は失われないようです。 ハイブリットな働き方をすることで仕事が楽しくなりそう…!うらやましいです! 人間とロボットの上手な共存のかたちを教えていただきました。 |
最終回となる次週…
「RPAは売上向上につながる?」
「これから社内でRPAどう使う?」
「導入を考えている会社にメッセージは?」
気になる疑問にお答えいただきました!
是非最後までご覧ください。
おたのしみに…!
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