国内企業のRPA導入率38% 大手企業の導入は半数越え

MM総研は、2020年1月27日に国内で利用される主要17製品を対象にRPA国内利用動向調査を発表しました。

2019年11月時点での国内企業のRPA導入率は38%となり、2018年6月時点での22%から増加傾向にあります。
導入率を企業規模別にみると、年商1,000億円以上の大手企業は51%、年商50億円以上から1,000億円未満の中堅・中小企業は25%となりました。

今回の調査では「導入率」に加え、RPAを活用している部門数・PC台数・従業員数などで算出する「浸透率」を設定し調査を行っています。
これは、大手企業ではすでにRPA導入率は過半数を超えている為、企業内でのRPAの展開状況を測る新たな指標を設けることで現状をより適正に反映させています。

RPA導入企業の部門数に対して、実際にRPAを利用している部門の割合から浸透率を算出した結果、
大手企業における浸透率は以下の様な結果となりました。

RPA浸透率ランキング

1位:UiPath 45%

2013年に発売されたデスクトップ型RPAツール。
アメリカ・ニューヨークに本社を置き、著名なグローバル企業など全世界にユーザーを抱える企業です。
2017年には日本法人を設立し、国内でも大手の金融機関や広告代理店などあらゆる業界でのRPA導入実績を急速に伸ばしています。
ブラウザ上やデスクトップのアプリケーションになど、あらゆるシステムのデータに対応できます。
また実際の操作を記憶したり、動作シナリオの変更をドラッグ&ドロップによって確認・編集することができるため、簡単にRPAを作成できます。
セキュリティの面でも、ロボットのスケジューリング・作業負荷管理・報告・監査監視といった業務を全て
UiPathが提供する管理ソフトを使用することで、安全性が確保された状態で運用できるのも特徴です。

●UiPathニュース

UiPath社のクラウド版Orchestrator https://www.uipath.com/ja/newsroom/uipath-automation-cloud-20200527は、モビルス株式会社のチャットシステム「mobiAgent」と連携し、セブン銀行のWebサイト上のお問い合わせ窓口にて、本人確認から住所変更手続きまで全てオペレーターを介さず自動で行われるシステムを導入する為の実証実験が行われています。
参考URL:UiPath社、セブン銀行のチャットボットとRPAの連携による住所変更手続き無人化の実証実験を支援

2位:BizRobo! 40%

BizRobo! は日本のRPA業界では草分け的な存在で、RPAテクノロジーズ株式会社が提供しているサービスです。
2008年に開始された業務アウトソーシング用ロボットの派遣サービスがきっかけで開発されました。
日本で開発されているため、サポート体制や日本語によるトレーニングコンテンツも充実しており、国内導入実績も豊富で各方面から高い評価を得ています。
BizRobo! は独自の内部ブラウザを有しており、開発端末や稼働環境などによる作業端末の影響を受けにくく、業務フローの作成も容易なのでロボットに作業を覚えさせやすいことが特徴です。
またスケジュール管理機能や稼働監視機能、ロボットに変更・実行できるユーザーの権限管理機能を備えている点も特徴です。

●BizRobo! ニュース

(一財)建材試験センターが「BizRobo! mini」を導入。
勤怠の一括管理で実労働時間の可視化を行い、異なっていた実労働時間と申請労働時間を是正することより、残業時間の大幅削減に成功しました。
また在宅・リモートワークが増えたニューノーマル時代の働き方に対応できるよう、インターネットの接続ができればRPAをいつでも・どこでも利用することが出来るクラウド環境でのサービス提供となります。

参考URL:(一財)建材試験センターがRPAテクノロジーズ「BizRobo! mini」を導入 勤怠の一括管理で、実労働時間の可視化へ

3位:WinActor 38%

WinActorは2013年にNTTグループで開発・商品化された、国産のRPAツールです。
日本語で提供されている他、全国をカバーする強力なサポート体制などがユーザーに支持され、
導入企業数や団体数が多い製品として知られています。
基本操作は、実際の動作を記録したり、ドラック&ドロップで簡単に設定・編集ができる為、
プログラミング知識がなくても利用できるという特徴があります。
また、2017年にはWinActorの管理・統制ツールとして、スケジュール管理機能やソフトロボの稼働監視機能を備える管理ソフト「WinDirector」がNTTデータから販売されています。

●WinActorニュース

RPAツール「WinActor」の最新版Ver.7.1.0を2020年8月24日から販売開始しています。
新バージョンでは新たに、エンタープライズにおける大規模なシナリオ開発現場や共同開発現場の生産性向上に有効な上級プログラマー向けシナリオエディタやオンラインシナリオ管理機能などが多数取り揃えられています。
自宅を含む多拠点間での共同作業でもチームで同じシナリオを共有できるので、場所に縛られない新しい働き方にも対応できることでしょう。
参考URL:RPAツール「WinActor®」の新バージョンVer.7.1.0を販売開始

尚、導入社数では、1位はWinActorで2位がBizRobo!、3位はUiPathになっています。