ブランド品といえば常につきまとうのは「偽造品」の問題。
偽物と分かっていて買うのは言語道断ですが、知らずに買わされるのは勘弁願いたいものです。

偽物がのさばることで、本物のブランドにダメージを与えてしまいます。
本来であれば本物が売れたはずなのに、偽物が販売されることでブランド本家の利益を潰す形になるのです。
あとは、偽ブランド品は品質の問題も大きいと思います。

その昔、私の知人が海外のお土産品に某ブランドのキーケースを買って来てくれたことがありました。
最初こそ気にせず使用をしていたのですが、ふとした時に縫製の甘さやロゴのズレ、強度の問題が気になるようになってきたのです。
その頃はちょうど偽ブランド品がテレビで扱われるようになった時代でした。
知人に問い合わせたところ、そのキーケースは正規店での購入ではなく価格もかなりの安値であったとのことが分かりました。
自分の身近に偽ブランド品を購入する人間がいたことに驚いたとともに、ぱっと見は本物と区別の付かない精密さに関心したのを覚えています。
ただ、強度の問題はいかんともし難く、例えば偽ブランド品を使って「すぐボロボロになる」という風に感じる人間が出ることで、本物のブランドのイメージに傷が付く可能性があるのでは、と思いました。
やはり、偽ブランド品はなんとしても市場から排除しなくてはなりません。

そんな中、”真贋判定AI”を開発した「株式会社メキキ」が、北京の企業「SOUDANG」と2019年6月にパートナーシップを締結したそうです。

-以下引用-

弊社とパートナーシップを締結したSOUDANG社は中国全土8,000店舗ある質屋のうち約6,000店舗という8割近いシェアを持つ、中国国内質屋向けSaaS最大手です。今回のパートナーシップ締結により、当社開発の真贋判定技術「mekiki AI」は、SOUDANGのシステムを通して中国6,000店舗の質屋向けに提供されます。
サービス提供開始は2019年9月を予定しています。

◯株式会社メキキとは
メキキは老舗質屋の持つ「鑑定技術・感性」と国内B2Bオークションでの「豊富なデータベース」を基に「鑑定士をサポートする人工知能 mekiki AI」を開発するソフトウェアカンパニーです。
AIによるブランド品真贋判定の高い技術を保有し、鑑定士の目利き力を人工知能化し、モノの価値の適切な査定の実現を目指しています。

◯戦略的パートナーシップ協定による今後のサービス提供
今回の戦略的パートナーシップ協定では、メキキの持つAI技術が中国側に「即導入に値する」との評価を得たことを意味します。現在はルイヴィトン(LOUIS VUITTON)の真贋判定に特化した提供ですが、今後は日本のB2Bオークション市場価格データも提供し、更に対象ブランドも順次追加していく予定です。

◯中国の健全な二次流通市場の成長を強力にバックアップ
中国では今後ブランド品の二次流通市場が爆発的に成長することが見込まれています。当社は「mekiki AI」を通して「中国での鑑定士の育成サポート・鑑定サポート・真贋判定」を提供し中国の二次流通市場を支えてまいります。

-中略-

「日本発AI鑑定は中国国内質屋に置ける新たなスタンダードとなるだろう」
2019年6月3、株式会社メキキが開発した“真贋判定AI”の精度と使いやすさを検証するために、SOUDANG社が持つ顧客会員の、北京瑞源亨典当有限公司、北京金天祥典当有限公司、北京阜昌典当行、北京通德典当行等々、数十社のプロの鑑定士、及び、日本で最も権威のある鑑定士やMekikiAI技術チームを集めました。“真贋判定AI”を使い、中国側が用意した80点余りのブランドバッグ(LV)を対象にテストを行いました。判定結果は100%の精度という驚くべき結果が出ました。

“真贋判定AI”は現時点で特定のブランドのみに対応していますが、今後ビッグデータと深層学習で更なる進化をしたAIがどのような成果を上げていくのか、非常に楽しみです。
偽ブランド品と本物の差を無くしていくことはコストの高騰を意味するわけですから、偽ブランドを作っている人たちに「これ以上は割りが合わない」と思わせるくらいまで精度の高い真贋判定が世の中に広まっていくと良いですね。

偽ブランドが世の中から消える日が来ることを願って、今後もAI判定の動きを追っていきたいと思います。

[執筆:ハル・クムラ
[最新更新日:2019年7月2日]