電話の利便性を科学しながらサービスを提供していく―
創業以来、コールセンター向けのCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)システムを提供してきた、株式会社ソフツー。
2023年、新たにオフィス電話向けAI自動応答・取り次ぎサービス「ミライAI」をリリースしました!
オフィスでの電話応対は多くの企業にとって欠かせない業務ですが、効率的な対応や適切な取り次ぎが課題とされてきました。ミライAIはこうした課題を解決し、オフィス電話の未来を切り拓くサービスとして、注目されています。
今回は株式会社ソフツー代表取締役 鍾勝雄氏、研究開発部 製品企画チーム 湯澤めぐみ氏に取材させていただきました。ミライAIがどのようなサービスなのかはもちろん、その魅力や、気になる精度、安全性、今後の展望についてたっぷり伺いました!
目次
「ミライAI」とはどのようなサービスですか?
ミライAIは、電話対応において誰かに取り次いだり、伝言したりといった一連の作業をAIが代行することで課題を解決し、業務効率を向上させるサービスです。
会社の代表電話には様々な要件で電話が入ってきますが、多くの会社では電話対応の専門部隊がありません。総務などの社員が対応することが一般的かと思いますが、常に手が空いているわけではなく、業務を中断して電話に出るのが現状です。
電話代行業者も存在しますが、ミライAIは直接リアルタイムでお客様と繋がることができるという点で、他社にはないメリットがあります。
今回はミライAIが実際にどのような対応をするのか、デモで実演いたします。
▼動画はこちら
―電話をかける― ミライAI『私は電話対応を行うミライAIです。繋ぎたい担当者をおっしゃってください。担当者名がわからない場合はわかりませんとおっしゃってください。』 鍾社長「湯澤さんお願いします。」 ミライAI『かしこまりました恐れ入りますが、御社名とお名前をお教えください。』 鍾社長「ソフツーの鍾と申します。」 ミライAI『お世話になっております。研究開発部の湯澤にお繋ぎいたしますので、少々お待ちください。』 ―湯澤さんの電話が鳴り、応答する― ミライAI『お疲れ様です。ミライAIです。ソフツー鍾様よりお電話が入っています。お繋ぎしてよろしいでしょうか?』
▼電話対応できる場合 湯澤さん「繋いでください。」 ミライAI『承知いたしました。お繋ぎいたします。失礼いたします。』 ―鍾社長と電話が繋がる―
▼電話対応できない場合 湯澤さん「いいえ。」 ミライAI『かしこまりました。ご用件をお伺いして折り返しで対応いたします。それでは失礼いたします。』 ―ミライAIと鍾社長が繋がる― ミライAI『大変申し訳ございません。湯澤は対応中のため、電話を取り次ぐことができませんでした。弊社の別の者の対応をする場合は、転送とおっしゃってください。担当者からの折り返しを希望する場合は私に直接ご用件をお知らせください。』 鍾社長「打ち合わせの件で、キャンセルをお願いしたいとお伝えください。」 ミライAI『かしこまりました。折り返し先は今お電話いただいている電話番号〇〇〇-〇〇〇〇でよろしいでしょうか?』 鍾社長「はい、そうです。」 ミライAI『かしこまりました、担当者に申し伝えます。お電話ありがとうございます。それでは失礼いたします。』
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これで電話が終わり、湯澤には受電相手、要件、折り返し電話番号などの情報がチャットで届きます。また、通話内容は録音、テキスト化して保存されます。
このように、よくある一連の動作を全部AIが行ない、対応してくれるサービスです。世界中どこにいても直接リアルタイムで繋がるので、誰かが取り次いだり、保留したりする必要はありません。
ミライAIの魅力はなんでしょうか?
自社でも1年間運用した結果、デモでお見せしたように非常に高い利便性を持っていることが実感されています。
現在、AIサービスは様々な業界で広がっていますが、弊社は「オフィス電話」というニッチでありながらも身近にある分野に焦点を当てています。この分野ではまだあまり多くのサービスが存在しないため独自性が高く、日常的に幅広い方に対してご利用いただけるサービスです。
また、導入ハードルが低い点も魅力です。ミライAIは最短1日で導入でき、フリープランは0円から始められ、どの会社でも簡単に試すことができます。特にスタートアップや小規模な会社にとって無料で使える点は魅力的で、多くのお客様がフリープランを選択しています。また、コール数が増えるなどニーズが高まった場合には、月額500円から利用できる低コストの有料プランにアップグレードすることも可能です。
こういった利便性や、導入のしやすさ、フリープランから始めてニーズに合わせてアップグレードできる柔軟性が、多くのお客様に受け入れられております。
音声認識の精度はいかがでしょうか?
私たちは自社で音声認識を開発しているのではなく、Googleの音声エンジンを利用しています。Googleの音声エンジンは、ビッグデータを駆使し、特に人名と会社名の認識に強みを持っています。例えば、我々の会社名である「ソフツー」は造語ですが、Googleはそれを正しく認識できます。この強みを取り次ぎサービスに活かしています。
ただ、Googleの音声エンジンは外部環境に依存する側面があり、騒音の場所や方言、外国出身者の発音などで誤認識することもあります。しかし、取り次ぎサービスの中では会社名と人名が最も重要なポイントであり、精度は高いと考えています。
また、同じ名前の人の誤認識に対処するため、相手に確認する工夫が行われています。例えば「佐藤さん」が会社に複数いた場合、どの「佐藤さん」か、明確にすることが大切です。その際にはまず部署名を確認することが一つの手段です。同じ部署にも「佐藤さん」が複数いる場合、追加の特徴となる情報を登録できるようにしました。性別や役職などのオプション情報をお客様からヒアリングすることで、正確な取り次ぎが可能です。
電話相手が担当者名を知らない、もしくはAIが聞き取れない場合は、「折り返し対応にする」か「社内の対象の電話を一斉に鳴らす」かを設定で選択できます。弊社では、社内の電話を一斉に鳴らす設定にしているのですが、導入初期に比べ一斉に鳴る頻度が減りました。
これは、取り次ぎ精度を上げる新しい機能を追加したので頻度が減ったのではないかなと考えています。
今までは、周りの騒音などにより「ユザワ」を「ユアサ」と誤認識した場合、社員名簿の中にその名前はいないと判断され、一斉に電話を鳴らすケースがよくありました。新機能追加後は、「ユアサ」と誤認識しても「ユザワ」が社員にいることを知っているので、「湯澤ですか?」と電話をかけてくれた方に問い返してくれるようになりました。そこで相手が肯定の返事をすると湯澤に繋がるようになっています。
それでも、時折うまくいかないケースがあるため、自社でモニタリングし、人がどう対応するかを考え、工夫を重ねて試行錯誤しています。
情報の取り扱いや安全性に関して、どのように対策されていますか?
ユーザーの視点から考えると、サービスの安全性と利便性は非常に重要だと考えています。世間的にGoogleとMicrosoftのサービスは、安全で便利なものとして認識されており、日常的に利用されています。GoogleアカウントやMicrosoftのOfficeアカウントでミライAIにログインできるようにすることで、個人情報の入力やパスワードの管理を簡略化し、セキュリティの向上をはかっています。
また、サーバーの設置場所も重要視しており、弊社は国内トップクラスのデータセンターを利用し、安全性にこだわっています。
IPアドレスの制限なども設定できるように対策を講じています。クラウドサービスを提供する場合、どこからでもアクセスできる利便性がありますが、一方で社内からしかアクセスできないようにしたいという要望もあります。そこでお客様の要望に柔軟に対応し、IPアドレス制限を設定できるようにしました。
また、すべての操作や通信は暗号化され、リアルタイムで負荷監視を行っており、必要に応じてスケールアウトを迅速に実施する仕組みも整備されています。
これらの取り組みを通じて、お客様のデータのセキュリティと利便性を確保しています。
お客様からどのような反響が届きますか?
お客様へのアンケートを通じて、ミライAIに対するフィードバックを受けています。お客様からの声をピックアップしていくつかご紹介します。
1.フリープランの便益性: フリープランでも会話内容の書き起こしや管理画面上のマイページが利用でき、教育にも役立つと評価されています。不必要な営業電話の抑止に繋がる点も好評です。
2.電話の繋がり方の改善: 以前電話が繋がらないというクレームがあったが、ミライAIを導入することで、電話の受信と用件の確認が行えるようになり、お客様満足度が向上したとの声があります。
3.事前準備と効率の向上: 事前に問い合わせ内容を確認の上、準備することができ、対応が効率的に行えるようになりました。また、会話内容をテキストで確認できるため、相手の電話番号や日時を忘れることがなくなり、急いでメモを取る必要もなく、外回り中などにも役立つといったフィードバックをいただいています。
このようにご好評をいただいており、大変嬉しく思っております。
また、お客様のご要望も参考にして、ニーズに応じた開発を行っています。お客様からの貴重なフィードバックが、サービスの改善と発展に繋がっており、良いサイクルが出来ていると感じています。
今後もお客様の声を大切にし、サービスのさらなる向上に取り組んでいく予定です。
サービス内容の拡充予定はありますか?
PCでも利用できるアプリケーションの開発や、SMSを通じた問い合わせ対応、カスタマイズ可能なシナリオの強化に取り組んでいます。
携帯用アプリケーションのリリースにより、携帯電話での利便性が向上しましたが、オフィス環境ではデスクワークが多いため、PCでも利用できるアプリケーションの開発を進めています。このPC対応のアプリケーションは、来年リリース予定です。
また、お客様から寄せられたさまざまな要望にも対応しています。例えば、SMSを通じて問い合わせや申し込みを受け付け、Webフォームを介して登録が完結する機能を開発中です。これにより、人が介在せずにスムーズなプロセスを提供します。
さらに、カスタマイズ可能なシナリオの開発にも取り組んでおり、お客様のニーズに合わせて柔軟に対応できるようになる予定です。
これらの新機能を今後の開発計画に含め、お客様にさらなる利便性と柔軟性を提供します。
ミライAIは今後オフィス電話に、どのような影響を与えると考えていますか?
オフィス電話に大きな変革を与える可能性があると考えています。
従来のオフィス電話では、人間が電話に出ることが基本で、新入社員は電話のトレーニングから始めることが一般的でした。しかし、若い世代では固定電話に慣れておらず、そもそも家庭に固定電話がないことが多い傾向があります。弊社の調査によると、約7割の若い世代が「電話恐怖症」を抱えており、知らない人からの電話に対するプレッシャーを感じています。
しかし、ミライAIを通すことで知り合いからの電話と同じように、ビジネス上でも対応できるようになります。これにより、電話の新しいスタンダードが生まれ、人間とAIの連携が普通のこととなる可能性があります。
将来的には、あらゆる業界で日常の中にAI技術が組み込まれ、人手不足や人口減少の問題に対処する手段として大きな役割を果たすでしょう。
ミライAIはこの変化に対応し、ビジネス環境に革命をもたらすと考えています。
今後の展望を教えてください。
人手不足の問題が今後ますます深刻化することは予想されており、それに対応するためには効率化と技術の活用が重要です。我々の技術を駆使して、人は人にしかできない仕事に専念できる環境を作り、豊かな生活を維持できる社会を築くことで社会貢献していきたいと考えています。
弊社は、最初から電話に特化したサービスを提供していたため、得意分野である電話業界にフォーカスし、業界トップを目指すことを重要な方針としています。
国内企業全社がミライAIを使いたいと思えるような、新しいオフィス電話のスタンダードを目指していきます。
今回の取材を通して
長年CTIシステムを提供してきた、株式会社ソフツーのノウハウと技術が詰まったサービス「ミライAI」。
実際にデモを見せていただき、対応のスムーズさ、精度、利便性に驚きました。このサービスが0円から導入可能とは、とても魅力的です!
今回の取材で特に興味深かったのは、電話対応をミライAIが行うことで心理的負担も減らせるというお話です。筆者も自分が電話を受けた時、先方の情報を正しく記録できているか、漏れはないか、またその情報を報告するまで自分が預かっていないといけない、という不安感・緊張感を感じた経験があります。
ミライAIなら正しく記録が残り、直接本人に連絡がいくのでその心配もいりませんね!
これからもサービスにアップデートがかけられていくとのことで、今後も注目です。
みなさんもAIを日常に組み込む一手として、ミライAIでオフィス電話に変革を与えてみてはいかがでしょうか?
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