RPA導入

2019年に働き方改革の一部が施工されました。
働き方改革の中には長時間労働の是正があり、残業時間を大幅に減らしたり、有給休暇の取得が年5日間義務づけられていたりと大企業だけではなく中小企業にとっても需要な経営課題なのではないでしょうか。

働き方改革でタダ働きが増える。

大企業には人手も経営体力もありますし、社会的責任も大きいので働き方改革を進めなければ不平不満がすぐに出るでしょう。
ですが中小企業の場合は、そもそも人手が足りません。ですから大企業のようにはいきません。経営側から見れば休んでいる日に給料を支払うのはコストでしかありません。

しかし経営者達も意識が変わりつつあり、「世の中の流れだから社員達にも休ませてあげよう」という意識も出てきているのではないでしょうか。
そこで、働き方改革の一部である長時間労働の是正に取りかかります。
ここで経営者達は「残業しちゃダメ」「有給休暇を取りなさい」というだけで働き方改革の本質がみえてないような号令を出して終わりです。

これでは本来の人手不足や業務量は変わっていないため「家に持ち帰って仕事をする」「有給休暇を取ったことにして実際には会社に出てきて仕事をする」などといった事態に陥ります。

「じゃあどうしたらいいんだ!!」と思いますよね。
そんな悩みをRPAが解決します!

悩みをRPAが解決
画像引用:salesforce blog

ではRPAを導入するメリットと働き方改革との関連性をこれから説明していきたいと思います。

そもそもRPAとはなにか

RPAロボティックプロセスオートメーション
画像引用:Technol

Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーションの略で機械学習といった技術を用いて主にバックオフィスでの業務を担います。
つまり人間が行っている単純作業を機械が行うということです。

RPA導入のイメージ

「機械に仕事を取られる!!」と思っている。
ロボットと聞くとペッパー君などの実在するロボットをイメージされる方も多いのではないでしょうか。しかしここで言うロボットとは実在する機械ではなくソフトウェアのことを指します。
RPAは確かに人間の仕事を奪います。ただしそれは退屈な作業に限ります。
機械は単純作業をしかできません。簡単に言えば毎月同じ作業を繰り返し行っている、「めんどうだな。」と思っている作業をまかせてしまえばいい!とういうことです。
RPA に任せられる作業は任せて作業効率化を図り、その分人間にしかできない判断や業務をすることができます。
つまりRPA導入によって完全に仕事を奪われるということではありません。

「費用対効果が感じられない!!」
大企業のように作業量が多くないため、費用対効果を感じられない。と思っている方も多いはずです。
また中小企業の場合はひとりで複数の作業を行っていることが多いため、ひとつの作業をRPA化したところでそんなに時間短縮にはなっていない!!と感じている方は多いのではないでしょうか。
中小企業において費用対効果が感じられない理由のひとつは何かと言いますと、1つの作業のみを自動化している場合にあります。大企業に比べて1つの作業自体は少ないので、効果があまり感じられません。
しかし中小企業の場合は1人が複数の作業を行っている場合が多いです。作業内容は少しの業務でも複数の作業を積み重ねていくと大幅な作業時間短縮になると思います。

「何やら難しそうだなあ。」
「そうは言ってもプログラミングのスキルもないので導入できないし。」

いいえ!RPAは難しいプログラミングを必要としません。特別なスキルがなくても導入できます。ホワイトカラーが行うパソコン操作をソフトウェアのロボットに記録(模倣)させることで、ホワイトカラーのデスクワークを効率化・自動化する仕組みです。

デスクワークを効率化・自動化
画像引用:サキドリ

実際にRPA導入した企業の事例を確認してみましょう。

【ECLエージェンシー株式会社の事例】

「中古車のターミナル運営や輸出貨物の船積を中心に事業展開する、ECLエージェンシー株式会社(以下、ECL)は、RPAを導入して効率化を実施、成果を得ています。同社がRPAを導入した背景には、輸出に伴う大量のドキュメント作成業務の効率化、という課題の解決がありました。

自動化の対象となった業務は、船積指示書(S/I:Shipping Instruction)に記載された情報を、船積指図書(S/O:Shipping Order)と呼ばれる伝票に転記し、船会社へ提示する、という一連の業務です。導入したRPAツールは、UiPathです。

導入効果としては、作業時間が60時間/月から15時間/月となり、75%の短縮、通関コストは2200円/1台から1230円/1台に削減され、月間約2000万円の業務コストの削減、となりました。また、自動化で、ロボットが一定のルールで処理を行うようになったため、品質向上、及びチェック工数の削減ができたことも大きな効果となっています。

同社は今後の展望として、自動化対象業務の幅を広げていくことで、更なるコスト削減、業務効率化を推進する、とし、今回のS/O入力業務に留まらず、自動化の範囲を広げていき、1台あたりの通関コストを800円程度へ削減することを目指して、取り組んでいきたい。」
引用:sweeepマガジン

データ登録業務
画像引用:ZEiN

このように、RPA導入によって長時間労働の問題がすべて解決するわけではありませんし、正しく導入しなければうまく活用できずに終わってしまう場合もあります。
正しい知識を持ち、単に恐れるのではなく、上手に活用して働き方改革に取り組むひとつの手段にしていただけたらと思います。

ロボットによる業務自動化
画像引用:Questetra BPM Suite
[執筆:サチ
[最終更新日:2020年3月13日]