突然ですが、みなさんは資格試験や学生時代のテストをどうやって乗り越えてきましたか?
毎日コツコツ復習したり、試験前に一気に詰め込んだり、間違えた問題を重点的に復習したり、おおざっぱに要点だけ先につかんだり、学習の進め方は十人十色ですよね。
教育も同じで、子どもが100人いれば100通りの教育方針が必要になります。
子どもたち一人ひとりの学習の取り組み方を把握して分析することが今後の教育に求められるのではないかと筆者は感じています。

そこで、本記事では通信教育、出版などの事業などで知られる「ベネッセコーポレーション(以下ベネッセ)」によるビッグデータを利用した教育改善のアプローチについて紹介したいと思います。

子どもたちの学習データに基づいた教育の改善

ベネッセは岐阜市の中学生約300名に対し、タブレット教材を貸与し、学習データを収集しました。
収集した学習データの例として、取り組み時刻、解答の所要時間、正答までの取り組み回数などが挙げられます。
収集した学習データと元々ベネッセが持っていた全国の中学生数万人分の学習記録を分析しました。
分析結果を基に教師と生徒本人それぞれに対してフィードバックを行うことで、効果的な指導改善が可能になります。

ベネッセ教育総合研究所 岐阜市教育委員会・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト
「タブレット教材を活用した学習記録の可視化&フィードバック研究」最終成果報告

https://berd.benesse.jp/special/bigdata/zemi3.php

~平成30年度・岐阜市の学校教育公表会での報告より~

教師に対するフィードバック

調査対象の中学校の教員に対し、各生徒ごとの問題の1問ごとの正誤や回答時間等をリスト化して提供しました。
正答にいたるまでの解き直し回数や難しい問題も投げ出さず時間をかけて回答しているか等を教科担任が把握することで生徒個人の取り組み方に関する声掛けが可能になります。
これらのフィードバックにより、生徒の頑張りを教師が具体的な言葉で褒めることが可能になることで生徒のモチベーションの向上にも寄与することができました。

生徒に対するフィードバック

教科別の学習量、前回からの学習量の伸び、解き直しによる正答率を可視化したデータを生徒本人に提供し、生徒自身が自らの努力をわかりやすく把握できるようになりました。
初めて問題を解いた時の正答率と、解き直しをしたときの正答率を生徒自身が比較することで「過去の自分と比較して成長している」という実感を子どもたち自身が感じることができます。
できるようになったという自信が子どもたちの学習意欲を増幅させ、さらなる成績向上に繋がりました。

教育業界のビッグデータ利用の今後

膨大な学習データを基に子どもたち一人ひとりの学習プロセスに合わせた指導方法を提供できるようになりました。
次のステップとしては、子どもたち自らが目標を設定して目標に向かって能動的に学習に取り組める環境づくりが挙げられます。
収集した学習データをいかに活用するかを今後も引き続き注目していきたいところです。

ビッグデータの活用で変わる わたしたちの未来 Part.1 はこちら
ビッグデータの活用で変わる わたしたちの未来 Part.2 はこちら
ビッグデータの活用で変わる わたしたちの未来 Part.3 はこちら
ビッグデータの活用で変わる わたしたちの未来 Part.5 はこちら

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[執筆:こってりラーメン
[最終更新日:2019年7月3日]